携帯サイトのバナーを踏んで架空請求に遭った体験談

携帯サイトのバナーを踏んで架空請求に遭った体験談

危険なネット

30代女性からの投稿

 

これは私が18歳の時、当時ガラケーはカラーになり写メール機能などが充実してきた頃の話です。

 

インターネットがケータイで出来ることが嬉しくて楽しくて、私はよくネットサーフィンをしていました。たまにパケット代金が高額になり親に怒られることもしばしば。でも少しでもネットがしたくて色んなサイトを見ては新たに広がる世界に目を輝かせていました。

 

ある時、所謂『出会い系』のバナーが目に止まりました。今までも様々なバナーを押すことはあったので、私はこのバナーを危険なものだと微塵も思わずに押してしまいました。

 

表示されたのは特に危険そうには見えない、男女の出会いを斡旋する業者のサイトでした。少しだけ中身を見ていつも通りに「戻る」ボタンを押して終了。そのうち私はそのサイトを見たことすらも忘れていました。

怪しい男からの電話

怪しい男

それから数日後、知らない番号から着信が残っていました。最初は無視していましたが、何度もかかってくるので気になり留守番電話モードにしてみました。するとその番号からメッセージが残されました。緊張しながら聞いてみると『大切なお話があるので折り返してください』と男の人の声で淡々と述べられていました。

 

当時18歳、まだ世間をあまり知らず加えて真面目な性格だった私は夜に親の目を盗んで自室で折り返しの電話をしてしまいました。すぐに男の人が出て挨拶もなくぶっきらぼうな言い方で「このサイト、見ましたよね?」と一言。全身から血の気が引く音が聞こえた気がしました。それは先日見た出会い系サイトの名前と全く同じだったからです。

 

バカ正直な私は見ました、と返事をしてしまいました。すると男の人の声と話すテンポが変わり、捲し立てるように『このサイトは見るだけで有料』『お金を払わないと裁判になる』などと告げてきたのです。私がそんなことは知らなかったし数秒見ただけだと言い返すと、なら少し待ってあげるから名前などを教えるよう誘導してきたのです。

 

慌て切っていた私はどうにか今だけでも切り抜けようと言われるがままに自分の名前や住所、生年月日、親の名前まで教えてしまいました。すると相手は「未成年だね。それは大変だ…学校にも言わないと」と恐ろしいことまで言ってきました。当時受験生の私はさらに慌てました。学校にもなんてバレたら受験にも響くし、人生終わりだとも感じました。

 

その後の会話は頭がパンクして全部は覚えていませんが、確か払う金額と振込先を震える手でメモして電話を切りました。これはまずいことになった。心臓がバクバクしてしばらく動けませんでした。結局、その日のうちに親に打ち明けることにしました。

 

怒られることは想定済み。それでも住所などをバカ正直に相手に教えてしまった以上、家に来られて家族が危険な目に遭ったりすることだけは避けたかったのです。

警察に相談

警官

すべてを親に話すと警察に行こうということになりました。当時、私以上にネットのことを知らなかった親はそれしかないと判断したのだと思います。

 

最寄りの警察署に駆け込み、事情を話しました。話を聞いてくれた警察の方は、最近こういう相談は多いということと多分脅しだけで何もしてこないだろうということ、実害がない限り警察は動けないと言い、私のメモした支払い金額と振込先のメモをコピーして「何か危ない目に遭ったりしたら連絡してください」とのことで帰らされました。

 

親には予想より怒られなかった点だけは安堵しましたが、それからしばらくは通学する時も誰かにつけられていないか、督促の電話が入っていないか、家族が無事かなど一日中考えながら過ごす日々が続きました。まだ子供だった私にとって精神的にとてもこたえました。

 

結局、それから電話の相手からは一度も連絡はなく、督促状が届いたり家に押し掛けられることもなく、この件は収束を迎えました。今となってはよくある詐欺のひとつですが、当時の私にはひどく恐ろしく生きた心地がしないほどの恐怖を覚えた体験でした。

ネットの世界を知らないことの恐ろしさ

危険

現代のお年寄りがこういった詐欺に引っかかってしまうのも、このような経験をした私には気持ちが分かります。

 

ネットの世界が分からないからこそ騙されてしまう。お年寄りがターゲットにされる体験を18歳にして体験したのは悲惨でしたが、実際被害はなく人生の勉強のひとつになったと今では思います。この一件からバナーをクリックすることは減り、怪しいと思うサイトは避け、たとえクリックして『高額請求発生』のようなびっくりする表示が出た場合も慌てなくなりました。

 

時代は進み、ガラケーからスマホに変わってもこの手口は増え続けさらに巧妙になってきています。きっと今日も日本のどこかで私のような体験をしている人がたくさんいるのだろうと思います。実際にお金を騙し取られてしまう人もいるでしょう。このような詐欺に合わないようにテレビや新聞などでもたくさん呼びかけられている昨今ですが、20年近く前はこれが『詐欺』であることすらあまり知られていなかったのです。

 

今となっては苦い思い出ですが、ガラケーでこんな怖い思いをしたのはこれが最初で最後です。


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