施設に預けられている子供たちと考える未成年の携帯電話の所持

施設に預けられている子供たちと考える未成年の携帯電話の所持

子供たち

20代女性からの投稿

 

私は児童養護施設で働いています。養護施設は、訳あって実母実父と生活ができない子供達が、社会の力を借りて暮らしている場所です。

 

私が担当するのは、中学高校生の男子8人、中学生4人と高校生4人です。この施設には携帯保持に関してルールがあり、アルバイトをしている子供しか持つことが許されていません。つまり、自身で収入を得られる高校生以上しか持つことができません。

 

このルールに対し、私は、私自身も携帯を使い始めたのが高校生からだったので、納得感があり違和感を感じていません。ただ、今の子供達にとっては窮屈であり、友好関係に悪影響が出るほど固いルールであるようです。私の時代は、高校進学とともに携帯を買う人が多く、一般的な購入時期は高校生になってからというのが当たり前だった思います。

 

現在は、中学生で大半の子供が携帯を所持しており、部活やクラスの連絡も携帯で連絡することがあるようで、高校生から購入する子供は圧倒的に少ないと、施設の子供達は話しています。そのため、子供達から、施設のルールを変えて、中学生からでも携帯を持てる様にして欲しいと要望が頻繁に寄せられます。

 

子供達の置かれている状況も理解ができるし、携帯を所持してもらっていた方が連絡もしやすく、職員としてもメリットがあることは容易に理解できます。ただ、携帯には使用料が発生し、施設で生活する子供達の使用料をバックアップできる人間はなかなかいません。施設で負担するわけにもいきません。制度もありません。

 

そのため、いくら子供達から要望があっても、叶えてあげることはできません。ただ、中には、祖父母からのバックアップがあり、実際には購入することができうる中学生もいます。

 

しかしながら、この子はできて、あの子はできないという状況は、施設としては好ましくなく、認めてあげることができません。例えば、実母実父と死別して、施設で生活している子供達には何もしてあげれない等、問題が発生するためです。

普通の子供としての環境を与えてあげたいという想い

スポーツ少年

私個人としては、子供達が望むのであれば施設が負担をしてでも携帯を持たせてあげたいと思います。携帯を持っていなくて、クラスLINEにはいれない、行事の打ち上げの連絡が回ってこない、部活の連絡、SNSのブームに乗れない等、ひもじい思いをしてほしくないからです。

 

施設にいる子供達は、普通の家庭で生活ができていないところから、既にひもじい思いを経験して施設にやって来ています。携帯一つ持っていないだけでも、悲しい思いをこれ以上経験して欲しくないと思っています。上記の思いもあり、携帯の購入に関して、私ができることはないか勉強をはじめました。未成年で携帯を購入するためには、親の同意が不可欠です。

 

施設の子供達には、施設長と両親の共同親権があるので、施設長の了承だけで携帯を購入することは容易にできます。ただ、各設定等についても、常に親権者の了承がなければできず、制限が多くつきまといます。無論、未成年をネット上の危険から守るためには必要な制限であると思います。しかしながら、多忙な施設長業務の中に、子供達から要望があって携帯会社の路面店に伺って設定をし直す時間はなかなか作ることができません。

 

私のような職員では、親権者ではないので、対応してあげることができません。多々、携帯保持について勉強は尽きませんが、今のところ最適な糸口は見つけることは出来ていません。そもそも、どうしてここまで携帯が私たちの生活に必要になったのでしょうか、考えるようになりました。私が高校生の時にはなかったLINE、Instagram、YouTube、TikTok等、外との繋がりが簡単に持てる様になったからなのかと思います。

必死な子供たちと俯瞰的な大人

子供たちに自由を

私が高校生の頃は、生身の人間との繋がりだけで満足していたように思います。それは、外と繋がろうとしていなかったし、繋がるすべを知らなかったからだと思います。mixi等が流行ってはいましたが、顔の分からぬ誰かと関わるのは危険だと子供ながらに警戒していたため、使用はしていませんでした。ただ、今の時代は、顔を出して相手と繋がることができます。音声で声を聞くこともできます。身の回りだけでなく、関わろうと思えばどこまでも世界中と繋がることができます。それは、いいことなのかもしれません。

 

多様な価値観や考え方に触れることができるからです。ただ、一歩間違えれば、危険と隣り合わせで、いくら大人が守ってあげたくても守ってあげることができなくなります。外との繋がりを求めることは、自分自身を知ることにも繋がるため、否定はしません。

 

ただ、今の子供達は外に居場所を見つけようと必死すぎるように思います。携帯保持に関しても、持つことに必死になりすぎているのかもしれません。時代の背景も重なるけれど、もう一度よく考えて、子供達にとって本当に最適な携帯の持ち方とはなんだろうと、子供達と一緒に考えてみようと思います。


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